嗚呼!〜兼田敏作品集 大阪市音楽団 Works of Kaneda Bin | |
■その他「大阪市音楽団」CDはこちら! 2004年度の課題曲も手元に届き、練習に入っているバンドも多いだろう。気の早いバンドからは「何かいい自由曲ないですかぁ?」という問い合わせも個人的にきている。知人だから許せるけれど、これが全然面識のない人からだと思うと、ちょっと顔が「ヒクヒク」するだろう。 曲捜す前に、技術がちゃんと身についているか、こっちが心配してしまう。中学・高校生だったら、自分の出したい音をイメージさせるのが先なので、私はまず「いい演奏を聴きなさい」というのだが、どれを聴けばいいか分からないという答えが必ず返ってくるので、このアルバムを紹介する。 随分前にリリースされたアルバムだが、これはとにかく演奏が凄い。技術がどうのとかでなく、音楽自体が素晴らしい。 「嗚呼!」は1986年度のコンクールの課題曲だが「今でも充分に通用する作品」に分類できる。当時のコンクールでは無機質な演奏が多かったが(それを否定している訳ではない)、このアルバムの「嗚呼!」は、とてつもなく重い。まさに心の叫びという感じだ。ヘコんでいる時に聴くと、さらなる落ち込み間違いなしの演奏である。 冒頭で、多少のズレが生じているが、そんなのは問題にならない。鬼気迫る「嗚呼!」なのだ。 「はい、縦の線が合いませんね、合わせましょう」という練習風景をよく目にするが、こういう練習をしているバンドは、はっきり言ってコンクールでは、上の大会には進めない。縦が合ったところで、人の心を打つ音楽にはならないからだ。聴きたいのは、そのバンド独自の音楽なのだが、あまりそういう演奏には出くわさない。 この「嗚呼!」を聴けば、音楽での叫びというのが、どういうものか、すぐに分かる。ぜひ体感して欲しい。 「吹奏楽のための交響的音頭」は、和製ボレロという感じで、曲が進むにつれ、音楽が盛り上がっていく。この演奏で不思議なのは、盛り上がるのが音楽だけでなく、聴き手の気持ちまで盛り上げて、興奮させてしまうことだ。それぐらい強烈な演奏である。 あと知られている(と言っても吹奏楽の懐メロに分類されるかもしれない)有名な曲は、「吹奏楽のためのパッサカリア」だが、これも今の時代にも通用する、というか、後世に残すべき作品の1つである。これの演奏も、また凄い。 全ての作品において、木村節が炸裂しまくっているのだが、ここで挙げた3曲は、ずば抜けてそれが強調されている。 じっくり聴き込めば、次々に新しい発見があるアルバムというのは、そうそうあるものではない。その数少ないアルバムの1つが、この「兼田敏作品集」だ。 また、聴き込めば絶対に吹き方(叩き方)も変わる。教則扱いにしてもいい1枚である。 ・演奏団体:大阪市音楽団(Osaka Municipal Symphonic Band) ・指揮者:木村吉宏(Yoshihiro Kimura) ・発売元:ブレーンミュージック 作曲:兼田 敏(Kaneda Bin)【全曲】 1. 吹奏楽のためのパッサカリア【6:25】 Passacaglia for Symphonic Band 2. 吹奏楽のためのディヴェルティメントII【17:16】 Divertimento II for Symphonic Band 3. バンドのための楽章「若人の歌」【5:58】 Song of Youth 4. 嗚呼!【4:22】 Ah! 5. 吹奏楽のための交響的音頭【5:47】 Symphonic Ondo for Symphonic Band 6. 吹奏楽のための組曲【14:25】 Suite for Symphonic Band l) Prelude ll) Waltz lll) Interlude lV) Finale 7. 吹奏楽のためのバラードV【9:41】 Ballade V for Wind Orchestra 1999 8. 行進曲「わかくさ」【3:59】 March "Wakakusa"★「パッサカリア」「交響的音頭」「嗚呼!」・・・とにかく、この凄まじい名演を聴きこむべし!バンドの教則盤にしてほしい1枚である。
販売店:吹奏楽専門ショップ〜Band Power〜 ¥3,060 送料別 | |
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