【ティエリー・ピュズラ】トゥーレーヌ・ルージュ [2010] ヴァンクゥール・ヴァンキュ

【ティエリー・ピュズラ】トゥーレーヌ・ルージュ [2010] ヴァンクゥール・ヴァンキュ 2006年のブレンド比率はガメイ55%、ピノー・ドニス25%、グロロー20%(去年はガメイ100%)フローラルでスイカのようなみずみずしい香り。ミネラリィで果実味が口の中で上品に広がる。まさに美味いエキスが喉を抜ける爽快感がある!<輸入元資料より>○以下2004年のコメントティエリーの作るワインは飲むごとに色々な表情を見せてくれる。しかし、同じ品種でいくつも同じようなキュヴェがあるから売り手としては「いい加減にしてくれ!」とついつい思ってしまうのだね。でもいつも新しい発見がワインの中にあるから「今度のキュヴェどんな味だろう」と好奇心のほうが勝ってしまい思わず仕入れてしまう訳。そこがティエリワインの魅力なんだろうけど。今回のヴァンクゥール特別キュヴェ「ヴァンキュル」もまたもやガメイ(笑)。(キュルはお尻という意味。クゥール(ハート)とキュル(オシリ)を掛けたのね。ちなみにアメリカのぎょう虫検査の製品名もバンキュールと言うらしい、関係ないけど。)先日新井順子さんの良い仕事しているボワ・ルカを見せられた後だから否応なしに期待値が高くなって、試飲もアラ探しから始まったんだけど・・・。結論から言えばこの価格としては非常に秀逸なワインですわ。流石ティエリーだね。グラスに注ぐと「おおっ」と驚くくらい濃い赤。ガメイの自然派ワインというより薄い系ローヌという感じ。最初の香りはロウソクのようなちょっとこもった感じがあり、後からスミレやイチゴの果実香が上がってくる。でも通常のガメイの香りとは違う。複雑だね。それらと同時にやや甘いジャミーでイチジクを煮込んだ感じも。一緒に飲んだ友人が「この香りどこかで嗅いだよね。ローヌのワインで・・・」というから再度クンクン。あっ思い出した!シャトーヌフのトップ生産者レ・カイユのローヌワインみたいなんだわ。洗練されたグルナッシュ系の香り。でも味わいは真逆。この濃さからどうしたらこんなにエレガントで繊細なワインに仕上がるの?と首をかしげながら飲んでおりました。ソフトな甘味と軽やかなタンニン。ミネラル分豊かで口の中が飲んだ後すっきりする感じ。もちろんアフターも長くラズベリージュースのようなやや酸のある甘味が広がります。ティエリーのワインだから果実味ばっちりというタイプではないのだけど、時間が経つにつれて乳酸系のヨーグルト的旨味も出てくる。このワインは、ティエリーが新しく立ち上げたヴァンクゥールを応援する意味で特別に作ったキュヴェだって言うじゃん。男同士の友情の証みたいなものだね。こんなに品質の高いワインをこの価格でリリースできるなんて、如何にヴァンクゥールとティエリーの絆が強いのか・・・飲めば分かる。これ話して良いのか分からんけど、ヴァンクゥールの特別キュヴェはもう一つあって、次回は樽熟成させたキュヴェが入荷するらしい。それも楽しみだぁ。酔っぱらうとどうしても口が軽くなるから困る(^^ゞいつまでも口の中に残るアフターを楽しみながら枝付き干し葡萄をツマミに飲む、36歳男3人の春日部の長い夜は終わらないのでした。ドメーヌ・チェリー・ピュズラは、まだ1999年に独立したての若いドメーヌです。当主であるティエリーは、その前から父と弟との3人でロワールでも有名なワイナリーを経営していましたが、自分の納得のいくワイン造りをするために独立を果たしたのです。ここのワインは、全てバイオ・ダイナミックで造られています。天然酵母で発酵させ、造りも自然に任せ、自然に忠実に造ります。その為、味わいにも個性が生まれ、決して重いワインではありませんが、後味に旨みが残る味わい。まさに飲めば飲むほどに決して厭きの来ない、癖になるワインなのです。* 買い付け人の独り言 *ティエリー・ピュズラといえば日本でもフランスでも名うての作り手としてすでに名前が知られているスーパーヴィニュロン。主要なワイン雑誌のほとんどが彼を取材しつくしているので、もう多くのことを語る必要はないかもしれない。いや、ティエリーの事を深く知りたいのなら弊社の池谷の方が専門家かも。なぜならティエリーと彼とはもう3年来の付き合いで、取引先関係という色が全くなくむしろ親友同士の関係を築いているからだ(因みに今回のスペシャルキュヴェ「ヴァンクゥール」もそんな友人関係の中から生まれた逸品だ)1999年ネゴシアンを開始して以来、ティエリが「ネゴシアン」としてひたすら拘ってきたことは「それぞれの買い葡萄の特徴をワインに活かすこと」、すなわちテロワールの反映だった。彼が自然派ワインに行き着いたのも、結局は、ビオ農法や自然酵母ノンフィルター、SO2添加抑制が今のところテロワールをワインに反映させる一番の方法だと思っているからで、今後テロワールにとってより良い方法があればどんどん取り入れてきたいという前向きな姿勢は変えていない。ドメーヌ「クロ・デュ・テュエ・ブッフ」での忙しい仕事の合間を縫って、取引葡萄生産者の畑に通い、彼らとの綿密な話し合いは欠かせない。なるべく葡萄栽培者の自主性を大事にし、自らの要望は最小限に抑えているという。「自分の選んだ葡萄生産者は皆志が高く、いちいち口を出さなくても、彼らは自分が何をすべきかを知っている。彼らも現に自分で素晴らしいワインを造っている」と絶大な信頼を寄せている。ただ収穫だけは別で、ティエリー自らが収穫者を引き連れて一気に刈り上げる。葡萄の収穫期と選果のレベルはドメーヌによって個人差があるので、いつも仕事慣れしている収穫者の方が意志を反映させやすいとの事からだ。買い葡萄の収穫はすべてクロ・デュ・テュエ・ブッフで行われ、ティエリーが先頭になって指揮を執る。仕込み方はもちろんドメーヌと同様の方法だ。仕込みの期間や熟成方法については、ここの葡萄の特徴に合わせて臨機応変に調整する。彼のテロワールへのこだわりの一例として、先の取材で面白い本音を聞いたのだが、彼は、作るワインが「やっぱりティエリーのワイン!」と賞賛を受けるよりも、「個々が個性あるワイン」と評価される方が嬉しいそうだ。「買い葡萄でドメーヌ物と同じような個性のワインを作っても全く面白くない。ティエリーブランドを作るためにわざわざネゴシアンをやったわけではないからね。テロワールが違うのだから、やはりできた葡萄の個性を尊重したいし、出来だけその土地の物を引き出してあげたい」と熱く語るティエリー。熱く語るといっても、すでにワインは取材中どんどん注がれているし、彼の趣味を聞くと「なに野暮なことを聞いてるんだ。ワインを飲むことに決まっているだろ!」とまたワインを注がれる。こんまま宴会モードに突入する前に、最後にまたベタな質問で「どうしてビオを選んだの?」と聞いてみた。彼は笑いながら「もちろんテロワールを反映させるためでもあるが、その前に、俺が生きている時間なんて、地球の一生から考えたら鼻息程度だろ!?仮に今はクロ・テュエ・ブッフの土地が自分たちのものであっても、死んだら誰の物になるか分からない。俺たちの土地と言っても実は地球からほんの一瞬借りているだけなんだ。その長い時間をかけて地球が培ってきた土壌を一時的に借りている俺が壊す権利など全くない。それだけだ」ととてもシンプルだが深みのある答えで締めくくった。

販売店:優心美酒SHIMURA

¥2,100 送料別
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