【ティエリー・ピュズラ】ル・ルージュ・エ・ミ [2009]

【ティエリー・ピュズラ】ル・ルージュ・エ・ミ [2009] ロワール自然派の大御所ティエリー・ピュズラから珍しいキュヴェが到着しました。なんと「ピノ・ムニエ」100%のキュヴェ♪ピノ・ムニエってご存知ですか?ピノ・ノワールの突然変異体の赤ワイン用ぶどう品種で、主にシャンパーニュ地方で使用されています。育ちやすく熟成が早く芳香性に優れ,ワインに爽やかさ与えるを与えると言われていますね。最近ではジェローム・プレヴォなどがこの品種100%のシャンパンを造っています。しかし、スティルワインに仕上げる作り手は殆ど聞いたことがありません。爽やかさを与える=ボディの軽さに繋がりこぢんまりとしたワインに仕上がってしまうからです。実はこのワイン、2007年物も某社から極少量輸入されていました。自分もそのワインを飲む機会があったのですが、酸が強くしかもライトボディの仕上がり。価格も4000円近くでしたので「??」と言う感想でした(笑その為かどうか某社は取扱を止めたそうです。今年になりヴァンクゥールに帳合いが移ったのですが、流石に2年目の造りですからピュズラも同じ轍を踏みません。2007年より数段進歩した味わいに仕上げてきました♪としぞおも輸入元事務所でテイスティングさせてもらったのですが、去年より酸味が柔らかくなり、果実の膨らみも感じられるピュズラらしいワインに変身。これなら納得です。しかも価格も一割近く下がっていますからねえ。ピノ・ムニエという品種を楽しむことの出来る一本として自信をもってオススメできます。キュヴェ名「Le rouge est mis」は映画のタイトルから取っています。日本語タイトル『赤い灯をつけるな』。主演のジャン・ガバンが大のピノムニエ好きだったのをヒントにして名付けたそうですが・・・本当か?wドメーヌ・チェリー・ピュズラは、まだ1999年に独立したての若いドメーヌです。当主であるティエリーは、その前から父と弟との3人でロワールでも有名なワイナリーを経営していましたが、自分の納得のいくワイン造りをするために独立を果たしたのです。ここのワインは、全てバイオ・ダイナミックで造られています。天然酵母で発酵させ、造りも自然に任せ、自然に忠実に造ります。その為、味わいにも個性が生まれ、決して重いワインではありませんが、後味に旨みが残る味わい。まさに飲めば飲むほどに決して厭きの来ない、癖になるワインなのです。* 買い付け人の独り言 *ティエリー・ピュズラといえば日本でもフランスでも名うての作り手としてすでに名前が知られているスーパーヴィニュロン。主要なワイン雑誌のほとんどが彼を取材しつくしているので、もう多くのことを語る必要はないかもしれない。いや、ティエリーの事を深く知りたいのなら弊社の池谷の方が専門家かも。なぜならティエリーと彼とはもう3年来の付き合いで、取引先関係という色が全くなくむしろ親友同士の関係を築いているからだ(因みに今回のスペシャルキュヴェ「ヴァンクゥール」もそんな友人関係の中から生まれた逸品だ)1999年ネゴシアンを開始して以来、ティエリが「ネゴシアン」としてひたすら拘ってきたことは「それぞれの買い葡萄の特徴をワインに活かすこと」、すなわちテロワールの反映だった。彼が自然派ワインに行き着いたのも、結局は、ビオ農法や自然酵母ノンフィルター、SO2添加抑制が今のところテロワールをワインに反映させる一番の方法だと思っているからで、今後テロワールにとってより良い方法があればどんどん取り入れてきたいという前向きな姿勢は変えていない。ドメーヌ「クロ・デュ・テュエ・ブッフ」での忙しい仕事の合間を縫って、取引葡萄生産者の畑に通い、彼らとの綿密な話し合いは欠かせない。なるべく葡萄栽培者の自主性を大事にし、自らの要望は最小限に抑えているという。「自分の選んだ葡萄生産者は皆志が高く、いちいち口を出さなくても、彼らは自分が何をすべきかを知っている。彼らも現に自分で素晴らしいワインを造っている」と絶大な信頼を寄せている。ただ収穫だけは別で、ティエリー自らが収穫者を引き連れて一気に刈り上げる。葡萄の収穫期と選果のレベルはドメーヌによって個人差があるので、いつも仕事慣れしている収穫者の方が意志を反映させやすいとの事からだ。買い葡萄の収穫はすべてクロ・デュ・テュエ・ブッフで行われ、ティエリーが先頭になって指揮を執る。仕込み方はもちろんドメーヌと同様の方法だ。仕込みの期間や熟成方法については、ここの葡萄の特徴に合わせて臨機応変に調整する。彼のテロワールへのこだわりの一例として、先の取材で面白い本音を聞いたのだが、彼は、作るワインが「やっぱりティエリーのワイン!」と賞賛を受けるよりも、「個々が個性あるワイン」と評価される方が嬉しいそうだ。「買い葡萄でドメーヌ物と同じような個性のワインを作っても全く面白くない。ティエリーブランドを作るためにわざわざネゴシアンをやったわけではないからね。テロワールが違うのだから、やはりできた葡萄の個性を尊重したいし、出来だけその土地の物を引き出してあげたい」と熱く語るティエリー。熱く語るといっても、すでにワインは取材中どんどん注がれているし、彼の趣味を聞くと「なに野暮なことを聞いてるんだ。ワインを飲むことに決まっているだろ!」とまたワインを注がれる。こんまま宴会モードに突入する前に、最後にまたベタな質問で「どうしてビオを選んだの?」と聞いてみた。彼は笑いながら「もちろんテロワールを反映させるためでもあるが、その前に、俺が生きている時間なんて、地球の一生から考えたら鼻息程度だろ!?仮に今はクロ・テュエ・ブッフの土地が自分たちのものであっても、死んだら誰の物になるか分からない。俺たちの土地と言っても実は地球からほんの一瞬借りているだけなんだ。その長い時間をかけて地球が培ってきた土壌を一時的に借りている俺が壊す権利など全くない。それだけだ」ととてもシンプルだが深みのある答えで締めくくった。

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